担当者名 | 有谷絢 |
住所 | 大阪市西区京町堀1-9-10 1F |
電話番号 | 電話番号なし |
大阪メトロ最寄駅 | 肥後橋駅 徒歩5分 |
最寄駅 | 本町駅 徒歩6分 |
営業時間 | 12:00-22:00(L.O) |
比較的空いている時間帯 | 17:00-19:00 |
靭公園を中心とした豊かな自然と、トレンド感度の高いおしゃれなお店やオフィスとのバランスが取れた肥後橋駅。ここ数年、カフェカルチャーにおいてもめざましい隆盛を見せるこのエリアで、ほっと心ほどける空間として支持を集めているのが『coffee ali MASSE』さん。
ネーミングセンスもさることながら、店主の有谷さんの感性がたまらないんです。肥後橋随一の“味のある店”を覗いてきました。
間違いなく「え?」と二度聞きしたくなる屋号ですが、お店の名前の由来とは?
「お客さんに3文字がいいんですよねと話していたら『マッセでいいやん』と言ってもらったんです。『コーヒーありマッセ』や『やってマッセ』って使えるやんって言われてみて、ええやんと思いこの名前にしました。」
マッセさんが飲食店を始めることになった経緯を教えてください
「このお店の前身が喫茶店兼お花屋さんをやってはって、私が喫茶店を手伝っていたんです。その方がお花屋さん一本でやることになったので、喫茶の方は私が一人でする!と割と勢いで独立が決まってから8ヶ月を迎えました。」
元々コーヒーを淹れたりお菓子作ったりすることがお好きだったのですか?
「全くでした(笑)。ただ、ブラッシュアップさせていくことが得意といいますか。独学でハンドドリップを学んで毎日味の変化などを見続けていくうちに、ある程度美味しく淹れられるようになりました。ハンドドリップはお湯を回し淹れて抽出しているけど、コーヒーメーカーは基本的に同じところからしかお湯が出てこないのに味が安定しているよな、と不思議に思いどういった違いがあるのか探っていきました。あと、同世代でバリスタをしている知人がいるので質問して改善を重ねることで、安定した、確かな美味しさで提供できるようにしています。」
独学の中でも試行錯誤されてきての「今」なんですね。
「特にこの肥後橋周辺には、他にもめちゃんこ美味しい珈琲屋はたくさんある中で、このお店の空間を気に入ってくださる方は多いのでそれでいいかなと。」
確かに実家のような、気の知れた友人の家に帰ってきたような独特の安心感がありますね….!この落ち着いた空間の中で、お客さんもリラックスして過ごされているんですね。
「それはよく言ってもらえますね。だらけているわけではなく、仕事に行きたくないな〜とか動けないな〜とか皆さんにとってゆっくりしちゃえる場所になっているみたいですね(笑)この“ゆるさ”を気に入ってもらえてるのはラッキーだなあと。」
メニューも誰もが想像する「家庭の味」をもとにしたほっとする定食を提供しているとのこと。ランチタイムも夕方までとゆったり確保されているのも嬉しいポイント。雰囲気もメニューも気取らない、この“ヌケ感”がたまらない。特別何かしているわけではないのに、訪れる人たちが思わず気を緩めてしまえる唯一無二の空間を創れるのは、有谷さんだからこそ。
このどこか「包まれているような安心感」は、木造の棚や食器のレトロっぽさにあるのかなと。その中で古すぎず、新しさも含んだネオ喫茶の要素も感じられます。もしかして、このお冷のグラスに書いてある「お酒は20歳から」って…
「そうなんです。それ、日本酒のワンカップのグラスです。某有名ドーナツチェーン店のマグカップも実家から持ってきて使っています。私自身ミニマリストであんまり物を買いたくないので、今使っているものが無くなったら新しいのを買おうと思っています。
棚などは父のDIYです。でも、センスがないので細かく指示して作ってもらいました.…(笑)でも自分に合わせてオーダーメイドしてくれているので抜群に使いやすいです。」
実家にあったやつ、貰い物、DIY。新品で、統一感あるアイテムが並ぶお店も素敵だけど無造作だったり、「背景」を想像しながら楽しめる喫茶店には”温度”がある。MASSEの“形のなさ”が逆に“MASSEらしさ”となり、「一周回ってかわいい、エモい」と刺さる人を増やしているんです。
「ファッションやキャラクターでもそうですが”かわいい”は巡るんですよね。10年以上前に買ったユニクロの服を着ていたとき、『それどこの?めっちゃかわいい!』と言われたんです。うちはトレンドに縛られてないし『形』が無いんですけど、逆にいいねって言ってもらえて(笑)そういう利点はありますね。」
店のフォントやロゴも可愛いですね。
「メニューのフォントは喫茶店っぽさイメージして書いたものなんですが、意外に反響があって。褒められるのでちょっと嬉し恥ずかしって感じです(笑)。
ほんと、『好き』だけでやってます。広告の裏紙白やったら真っ黒になるまで字を書いたり、テレビから流れてくるワードをずっと書き続けたりしています。この字のバランスが難しいなって思ったら、納得がいくまで書き続けていますね。ロゴの動物は、中学生の時から描いていたキャラなんですよ。
全部昔流行ったギャル文字から構成されていて。長い年月を経てやっとオリジナルのキャラクターが使えていますね。」
とことん職人気質で器用なんて羨ましいです…!ところで、メニュー表に書いてあるミロってあのミロですか?ココアではなくて??
「私自身ちょっと屁理屈な面があるんですが、ココアを出す喫茶店が多いんやったら、同じことしなくていいかなって思うんです。ミロ、地味に人気ですよ。外で飲むミロもまた違っていいですよ。
プーアル茶も出しているんですけど、常連さんがダイエットしたいと仰っていたので『じゃあ、プーアル茶を飲むか!』という話になったのがきっかけなんです。」
“自分だけの色を出し、自分にしかできないことをやる”がモットーだと話す有谷さん。
お客さんのニーズに合わせてメニューに落とし込んでいく。型にとらわれず、親近感ある営業スタイルはまさにMASSEにしか出せない色。
たくさんのお客様に愛されているんですね。これからもやってみたいことってあるのでしょうか?
「喫茶店をしながら他ジャンルの何かをしたいなというのは、ずっと頭の片隅にあります。私自身、職人気質だと思うし職人肌であることも好きなのですが、今の時代、肩書きが複数あるのが普通になってきていると思うんですよね。多少時代の流れに乗るのは大事だなと感じていて。そういうのが何かあってもいいのかなとは考えていますね。」
字を教えるというのはどうでしょうか?
「アリですね。大人の習い事みたいな感じで、平日の夕方とかに、というのも構想しています。
ただ、身内や知り合いが参加しているイベントというよりは、規模は大きめだけどちょっとローカルな感じがいいな。知らない人同士の出会いの場になるイベントや交流が開きたいと思います。」
最後に、aeruOsakaを見てご来店される方にメッセージをお願いします!
「ここは一人でも来やすく、めっちゃ落ち着いてチルできる空間だと思っています。私と話すと自己肯定感を高まるとおっしゃるお客さまも居るので、気分転換ぐらいの感覚でお話しにきていただければ。ただ、恋バナは苦手で、漫画で得た知識でしか話せないです(笑)あと、動物OKなのでよく常連さんでワンちゃん連れて来られる方がいます。もし、犬好きだけど一人暮らしで飼えないという方はぜひ癒されに来てください。待ってマッセ!」
店の前にはベンチもあり、外を眺めながらコーヒーを堪能するお客様の姿も。マッセさんのセンスが活きた空間で、飲食を楽しみつつ、ゆったりとした時間をお過ごしください。