hibi菓子店

アイデアが豊富でいろいろなレシピを考えるのが好きな、店長のYURIさん。ご自身のお菓子づくりのキャリアや子育てがきっかけで、今のお店のお菓子に繋がっています。好奇心豊かで探求熱心なYURIさんのお菓子作りへの想いを伺いました。

お店を始めたきっかけについて教えて下さい

以前は飲食会社のカフェのお菓子を作ったりメニュー開発をしたり、DEAN & DELUCAのパンを作ったり百貨店のお菓子を作ったりしていましたが、出産を機に退職をしました。子育て中もお菓子作りは続けていて、食べてもらう友人知人からはお店を始めたらいいのにと言われていて。息子が5歳になったのを機に、昨年お店をオープンしました。

お菓子づくりのこだわりを教えていただけますか？

お店のメニュー開発はすべて自身が手がけていて、特に素材選びにはこだわりを持っています。無添加で体に優しいこと、旬の食材を意識しています。保育園給食に携わっていたことがあり、そこで学んだことが大きいですね。グラニュー糖をきび糖に変えたり、国産小麦を使用し、フルーツは無農薬で旬の物を使うようになりました。

hibi菓子店でぜひ味わってほしいお菓子は？

カヌレとキャロットケーキです。

カヌレは人気ナンバーワンで、銅型のフランスのベーシックなカヌレ型を使っていて、一般的な物より熱伝導が良くカリッと焼いています。

キャロットケーキは、お店を始める前からレシピを考え、作ることが大好きで。スパイスと具材の組み合わせが無限にあるので面白いんです。例えば、にんじんのすりおろしか千切りで味わいが変わるし、そこに何の具材を掛け合わせるかでも違いが出ます。お店にはその時々の組み合わせを常時二種類以上おいています。ベーシックなものに新しい組み合わせを足すのが好きなので、他では見たことのないものを出したいと思って。定番のキャロットケーキのフロスティングは、クリームチーズ×砂糖×バターですが、うちのは、もっとケーキ寄りで、クリームチーズと練乳、生クリームでふんわりさせていて、定番のキャロットケーキはこのフロスティングを使ってます。

人気はチョコレートのキャロットケーキで、チョコだけでも4種類出したことがあるんです。キャロットケーキなのにチョコレート、変化球キャロットケーキです。デーツを入れたり、チョコの濃度を変えて、濃厚にさせたり、色々とアレンジを加えています。

おひとりで多彩なメニュー開発、そのアイデアはどこからくるのですか？

お菓子づくり駆け出しの20代前半、クリスマスケーキを作っていて、ホールケーキにクリスマス飾りを置けばいいくらいの感覚でやっていたのですが、当時の上司に「どこでもあるものじゃなくて、テーマ性を持たせてよ」と言われたのがきっかけで、ただ作るだけじゃなく、そのケーキに込めるメッセージ性を考えるようになって。クリスマスの思い出を模したクッキーを作ったり、巨大な三角のショートケーキを作ったりとか。冬のデパートの化粧品売り場に並ぶ煌びやかなクリスマスコフレからインスピレーションを得て、ビジュー感が出る仕上げにしてみたり、目で見て楽しめるように作るようになった経験が大きいです。今でこそSNSを意識して普通になってきましたが、20年前の当時は珍しかったです。

オープンから半年。これからはどんなお店に？

お菓子の背景や生産者についてもお客さまにお届けし、より深い愛着を持ってもらったり、楽しんでもらえたらなと思います。aeru手帖を持って来られた際には、是非いろいろとお菓子のことを聞いてもらいたいですし、一緒にお茶会で交流が出来る場が持てたらいいなと思い、aeru体験も実施する予定です。お菓子をコース仕立てにしてお茶会をしたり、ワインとお菓子のペアリングの会などを考えています。

みなさんの意見も取り入れていきながらお店をつくっていきたいので、是非お気軽に遊びに来てくださいね。