担当者名 | 松本永理佳 |
住所 | 大阪市北区大淀南1-3-18 |
電話番号 | 06-7493-3019 |
大阪メトロ最寄駅 | 御堂筋線梅田駅 徒歩15分 |
最寄駅 | 大阪駅 徒歩12分 |
営業時間 | 10:00〜20:00 |
比較的空いている時間帯 | 平日の午前中(日によって変動) |
梅田駅を抜けたスカイビルの横には、落ち着いた街並みが広がる。そこにりんご専門カフェ“elicafe”はお店を構えている。店内に入ると、りんごが描かれている雑貨やイラストが目に入り、あまりの可愛さに心がぽっと温まる。店主の永理佳さんが今までどのようにりんごに接してきたのか。そして、身近なもの、よくあるものだからこそ気づけないりんごの素敵なところを聞いてみました。
お店を開くことになった経緯は?
「なんとなく、社長になりたいなと思った時に“よし、カフェやろう”と思ってカフェを始めました。美味しい珈琲と紅茶が飲めるお店にしようと思って、開店前はこの2つを一生懸命勉強していました。でも、珈琲と紅茶を売りにしてる店っていっぱいあって、何かに特化しないといけないなと思いました。
りんごカフェになったのは、開店してしばらくしてからです。お店で『丸ごと焼きりんご』というメニューを提供していたのですが、そのメニューがすごく好評だったので、珈琲や紅茶でなくてりんごに特化したカフェにしよう!と決めました。」
メニューにはたくさんのりんごフードがありますが、どのように考えているのでしょうか?
「“りんご”がどう活きるかを考えてメニューを作っています。りんごは収穫まで手間がかかります。りんごは1年に1回収穫するのですが、りんご農家さんはその1回のために、1年中働いています。りんごを少しでも甘くするために肥料を入れたり、きれいなりんごを作るために剪定をしたり。たくさん農家の方がそのりんごの味にするためにたくさんの手間をかけているので、その味をそのまま活かすために火入を調整したりしています。おなじメニューでも、りんごの特徴に合わせて作り方は全然違うやり方にしたりもします。」
りんごはどのようなところに注目して仕入れているのですか?
「私はりんご農家の娘でもないですし、りんごが生産されている場所に住んでいたわけでもないですし、パティシエとか、JAに勤めていたとかりんごに関わる仕事をしてきたわけではないので、農業やりんごの知識がすごく多いわけではないんです。1つの種類に絞って1つの意見だけを聞いてしまうと、視野がすごく狭まってしまうと思っていて。たくさんの生産地からたくさんの農家さんからお話を伺いながらりんごを仕入れしています。」
りんごと向き合うことで考えていることやりんご農家さんとのコミュニケーションのなかで大事にされていることとは?
「大阪駅からほど近い場所にある私たちは、りんごのストーリーテラーでありたいなと思っています。たとえば、『今年のりんごはやわらかい』とお客さまから言われた時に、農家さんから聞いた今年のりんごの生育状況などをお話ししたりしています。農家さんたちがいろいろな工夫をこらしてつくるいわば作品としてのりんごを、その想いと共にお客様に届けることができればいいなと思っています。
うちのスタッフもみんな好きな味が違うので、りんごの試食をしながらそれをどういう風に説明したら面白いかなどを共有しています。
わたし自身は、好きなりんごを作らないようにしています。1つを好きだと思ってしまうと他のりんごが好きというかいつも2番手な気持ちになってしまうんですよね…。りんごのお店をしている間は、私はなるべくフラットな立ち位置にいるようにしたいんです。
あとはそうですね…年配の方に、青森県と長野県のりんごはどっちが美味しいの?ってよく聞かれます。どっちが美味しいというのはひとそれぞれだと思うのですが、日本のりんごの2大生産地…何が違うのかなって個人的に疑問に感じたので、長野県と青森県にりんごの対する県としての考え方についてお話を聞きに行ったりもしました。年2回くらいはりんごの各生産地に行ってみて、農家さんだけでなく、県のりんご課やりんごの研究施設などのりんごに関わる方達にも、いろいろな話を聞きに行くようにしています。」
お店を立ち上げる時のイメージって何かありましたか?
「ここは、お客様にとってのサードプレイスになってもらえたらいいなと思っています。ゆっくりしていってもらえたらなって。人によってホッとする場所にもなるし、家で仕事できないから外でしようって人もいると思います。食べるだけの場所にはならない方がいいなあと思っています。」
aeruOSAKAを見て来てくださる方にメッセージをお願いします!
「日本にりんごって2000種類あって、世界では2万とか4万品種と私たちが思っている以上にりんごって種類があります。『りんごは美味しい』というのでもちろん良いのですが、同時にちょっと面白いと感じてもらえたらいいなと思っているので、自分の好きな、面白いりんごを探しにきてくれたら嬉しいです。」
えっ!日本のりんごって2000種類もあるのですか!?
「そうなんですよ。りんごって面白いでしょ?(笑)
こんなに種類があるっていうのが面白いですし、もっとお客さまがりんご好きになってくれたらいいなと思います。
この10年、果物を食べる人が減ったそうです。特にりんごはきったり皮を剥いたりして食べることが多いのでそれを面倒と感じる人が多いようで…みかんやバナナに押されがちで、りんごを食べる人は年々下降気味です。私たちがりんごを面白がって少しでも伝えていくことで、りんごの豆知識を知った人が『今日はりんごを食べよう!』と思って少しでも消費量が増えてくれたらいいなと思っています。」
イベントでマルシェなど開催されていますが、それも同じ理由でしょうか?
「りんごマルシェはりんごを面白いと思ってもらえる人のきっかけになる場所が1つあればいいなと思って企画しています。イメージとしてはフェスみたいなものです。あまり知らなかったけど、1回フェスに行って聴いちゃったら意外に『このバンドやるな〜〜!』ってなると思うんですよ。年に1回りんごのフェスみたいなものを開けば、普段はりんごを買わないけど、そこにりんごがあったら『まあ今日はりんご買うか!』みたいに買っちゃって、そこからりんごの美味しさに気づいてもらえたらいいなと思っています!」
そろそろりんごが食べたくてソワソワしてきませんか?
私たちが知っているりんごはほんの一部、りんごの奥深さに驚きと好奇心が隠せません…!
お話を聞くと、お店だけではなく梅田という街からも飛び出しそうなりんごへの想いを実感。
そんなりんごの美味しさや面白さを知るために、まずはelicafeに行ってりんご帽子の永理佳さんにお話しを聞きに行きましょう!